定時運行 信仰
最近、首都圏では朝ラッシュ時に通勤電車がよく止まるらしい。
停電などが原因のようだが、ネットやテレビを見ていると
厳しい論調が多い。
通勤している当事者は大変だろうし、一部で怒号が発せられたと
いうのも分からないでもない。
鉄道というのは車両、電気設備、線路設備、駅など様々な
パーツから成る複雑な仕組みだと思う。
その中でかの東海道新幹線は年間にならすと3分くらいしか
遅れが無いらしい。台風や地震を除けば、基本的に定時運行されている
というスゴイ乗り物だ。
我々はそのスゴイことを当たり前だと認識しているが、
利用者も鉄道会社もそろそろその(当たり前という)呪縛から
解き放たれるべきではないか。
海外では国にもよるが、先進国でも鉄道が1分1秒の単位で正確に
継続的に運行されている事例はあまりない。
安全面を除き、関係者はある程度の許容をもって、このシステム
を保守、運用し、また利用者は利用すべきではないだろうか。
JR福知山線の脱線事故の事例もあるが、定時運行からの強迫により
(定時運行を要求する会社側からの圧力も含め)、
事故として顕在化する場合もある。
つまりは、鉄道会社はベストエフォートでサービスを提供している、
利用者はベストエフォートのサービスを受けている
という共通認識を持ち、双方が余裕を持つことが重要と思われる。
定時運行は結果として喜ぶべきことで、事前にまた経過として
過度に要求することは止めるべきではないだろうか。
電車は遅れるもので、その結果、会社員は大事な会議にも
しばしば遅れるものなのだ。