名古屋駅のいろんなお話

名古屋駅のいろんなお話

3つの迷駅 キラヨシダって何処?

名古屋駅名駅と名古屋では呼ばれているが、しばしばその分かりにくさから迷駅と揶揄されることも多い。

ではどうして迷駅と呼ばれるのかを少し整理すると、3つの迷駅がそこに見えてくるので、少し整理したい。

 

 まず、1つ目は各鉄道、各線の間での乗り換えが非常に分かりにくいということ。名古屋駅には名鉄近鉄、地下鉄東山線、地下鉄桜通線、JR在来線、新幹線、あおなみ線とざっと分けて7つの線が集まっている。それらが相互に乗り換えようとした時、非常に分かりにくい。もちろんサイン(表示)をしっかり見ていけば何とかたどり着けると思うのだが、方向感覚に疎い方はそれでも迷ってしまうことも多いと思われる。

 

 2つ目は地下街の複雑さである。1つ目の理由と重複しているのだが、名古屋在住の人でも中々全部を把握されている方は多くないだろう。しかし、現在では新しくビルが建ったおかげで大分整理されているので、それでも昔に比べれば分かりやすくなったと思われる。ダンジョンとおもしろく揶揄する人もいるようだが、私に言わせれば古い地下街はどの街にいっても大抵わかりにくいものだが、中でも迷路のように複雑に張り巡られた名古屋駅の地下街は一見では中々難しく理解するには時間がかかるようだ。

 

 3つ目は名鉄名古屋鉄道名古屋駅の構造に起因する乗り場の分かりにくさ、のことを指している事も多い。名鉄名古屋駅はいわゆるターミナル(終着駅)タイプではなく中間駅なので、行き先や種別(特急、急行等)でホームが別々にはなっておらず、それどころか上り1本下り1本の線しか持たない駅である。しかしながら、そこには愛知や岐阜のいたるところから集まってくる電車が一同に会すため、相当な交通量なのである。それを上下各1本ずつの線で捌くため、全く違う行き先の電車が微妙に止まる位置を変えることで人列が重ならないように工夫をして混雑を回避しているのだが、それがまた非常に分かりにくい。また次々に来る電車の行き先も結構マイナーな地名が多く、その地名が大体何処に位置するのかがわからない人はその電車に乗って良いのかが確信が持てず、且つそれぞれが1分少々の停車時間しか無いので、初めての人は迷いと不安と焦りしか感じられないという構造なのである。

 

以上迷駅という呼称について、3つの所以があると述べてきたが、今後10年かけて名古屋鉄道を中心に計画されている再開発によって、整理されて誰もが分かりやすい駅へと変貌していくとのことである。徐々に昔の面影は無くなっていくのだろうが、一度分かりにくいものを理解してしまうと人間は不思議と今度は愛着が湧くもので、私などは分かりにくい迷の部分が無くなっていくことに非常に寂しさがある。しかし、名古屋駅がどう変貌していくかは片や楽しみでもある。